研究・開発
今までにない材料を目指す
2020年 入社/自然科学教育部 土木建築学専攻 修了
入社理由
大学ではコンクリートについて研究していたため、インフラ整備を支える重要な役割を持つセメント・コンクリート関係の職に就きたいという思いから、セメントメーカーを中心に就職活動を行いました。MUCCは大量の廃棄物を原料として活用し、循環型社会の発展に貢献しています。また、国内最大の生産能力を有する九州工場苅田第一地区を筆頭に全国の生産拠点でのセメントの安定供給を通じて、社会インフラを陰から支えています。それらの点に魅力を感じ、MUCCへの入社を決意しました。
仕事内容
私が所属する関連製品研究室では、「低炭素・脱炭素」「産業副産物の有効利用」「先端技術による省力化」をそれぞれテーマとする新規資材・製品の研究開発を行っています。また、既存のコンクリート資材・製品の改良改善および技術支援や、コンクリート・関連製品の品質試験および社内外の受託試験なども担っています。
その中で私は「低炭素・脱炭素」「産業副産物の有効利用」に関する研究の責任者を務めています。テーマの課題を抽出、そして解決を目指し、上司や先輩社員の指導のもとでPDCAサイクルを回し、業務を遂行しています。得られた研究成果は、特許取得可能な範囲を見出して権利化を目指します。
仕事のやりがいや難しさ
私の研究テーマでは、セメントの代替として産業副産物を有効利用する新材料の研究を行っています。新材料の硬化反応は、セメントが水で硬化する反応とメカニズムが異なるため、従来のセメント・コンクリートの常識が通じないことがあります。
これを解決するには、既存の常識や知識に捉われず、常に新しい視点と発想で課題と向き合う必要があるため、難しいと感じる場面が多々あります。しかし難しいからこそ、自分の計画通りに結果が出たときの喜びは大きいですし、困難な課題に挑戦することは仕事へのやりがいにつながっていると感じています。
印象的なエピソード
現在の研究テーマを担当するようになった初めの頃、新しい検討を行う際に上司の事前確認を怠り、目的が曖昧なまま実験を進めてしまったことがありました。実験結果を報告したところ、目的に沿った検討ができていないとの指摘を受けました。結果として実験のやり直しをすることになり、業務時間のロスにつながってしまいました。
この経験を経て、仕事における「報告・連絡・相談」の重要性を学びました。これらをきちんと行うことで、円滑な業務進行が可能になり、問題発生を未然に防ぐことができます。現在は意識して「報告・連絡・相談」をできるようになったので、次は内容の質を高めようと努力しています。
宇宙開発分野にコンクリートによるインフラ構築で貢献したいと考えています。近年、世界各国で宇宙開発が盛んに行われており、月面基地の建設に向けた計画なども提案されています。人類が月面に長期滞在するには、インフラの構築が必須です。それにあたり「ルナコンクリート」や「ジオポリマー」、「レゴリス焼結材」などが建設材料として注目されています。しかし、月面の建設材料については、材料の輸送や温度対策など多くの課題を抱えているのが現状。このような課題をクリアし、宇宙のどこでも利用できる「コズミックコンクリート」の開発に携われたらと空想しています。
ある1日のスケジュール
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出社
職場についたら、作業着に着替えて、仕事の準備を始めます。 -
パソコン起動
メールの対応を行い、一日の業務・スケジュールを確認します。 -
実験
計画した配合にて、実験を行い、データの収集および評価をします。 -
昼食・休憩
職場で注文した弁当を食べています。昼食後は、リフレッシュのために15分程度の昼寝をします。 -
報告会
研究テーマについて、各担当者が現在の進捗状況・得られた知見・今後の予定などの報告を行います。 -
デスク業務
実験データの整理・資料作成・文献調査・実験計画の立案などを行います。仕事に行き詰っているときは、上司に相談してアドバイスを受けることもあります。 -
退社
急ぎの仕事がない場合は、定時に退社します。