技術戦略
私たちは何ができるか──
2014年 入社/機械物理系専攻 修了
入社理由
スケールの大きさ
学生時代は材料工学を専門とする研究所に在籍していたため、世の中に欠かすことのできない素材メーカーで働きたいと考えていました。就職活動でMUCCのブースを訪問し、社員の方々とさまざまな話をしました。会社風土として「真面目さ」、困難な場面でも社員同士でフォローし合う「温かさ」、セメント製造現場の「スケールの大きさ」を知り、自然とMUCCが第一志望になりました。10年以上働いていますが、当時感じた印象は全くその通りだったなと実感しています。
仕事内容
向けて
私が所属している地球環境対策プロジェクトは、端的に言うと「排出される二酸化炭素(CO2)を減らすためのさまざまな検討」を日々行っています。セメント業界は、セメント製造で必要な化石エネルギーや電力消費由来のCO2排出に加え、製造プロセスの中で石灰石中の炭酸カルシウム(CaCO3)の脱炭酸反応によるCO2が発生します。私たちはこれら2種類のCO2について、たとえば前者は「CO2の発生しないエネルギーへの転換」、後者は「CO2の回収・貯留、そして回収したCO2の有効利用」など複数の検討を同時並行で進めており、MUCCが目標に掲げている2050年カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素を進めています。
仕事のやりがいや難しさ
責任と喜び
セメント製造には多くのエネルギーが必要でCO2が排出されます。加えて製造プロセスからもCO2が排出されるといった点から、セメント業界は「Hard-to-abate=既存の技術ではCO2の排出削減が困難な産業」であると言われており、さまざまな要因から検討が一筋縄ではいかないのが実情です。ただ、困難があるからこそ検討が前に進んだときの喜びは大きく、MUCCのみならず世界全体で脱炭素の気運が高まっている中、大きなミッションを担う仕事に最前線で取り組めていることにやりがいを感じています。
印象的なエピソード
数年前、私がMUCCのグループ会社に出向していた際、20数年に一度実施される大規模な改修工事がありました。私は実に多様な業務に取り組みました。代替原料の確保をはじめ、品質確認、物流検討・調整、お客様への説明、製造テスト・機器のパラメータ調整、設備トラブル対応──。それまでに経験したことのないくらい業務内容が幅広く、とても濃い一年になりました。そこで得られた多くの企業や部署の方々とのつながりは、今の仕事でも非常に大事なものとなっています。大きな課題を解決するためには「人と人とのつながり」が欠かせません。この出来事を通じて、多くの関係者が力を合わせて取り組んでいくことの重要性を再認識できました。
CO2について、ニュースなどでネガティブな話題となることもあるかと思います。しかし、使い方次第で大きな価値を生み出すことが可能だと考えています。たとえば、工場の煙突から排出されるCO2を回収し、水素と反応させることで合成メタンを生成し、その合成メタンをセメントの製造工程でのエネルギーに活用することで内部サイクルを構築できます。また、CO2を物質に吸着させ、炭酸原料をつくることも可能だと考えています。これからもCO2の多様な可能性を追求していきたいと思っています。
ある1日のスケジュール
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定例会議
プロジェクト内の定例会議に参加します。複数の脱炭素に関する検討が同時並行で進んでいるため、それぞれの案件について各担当と情報共有・意見交換を行います。 -
数値分析・報告資料の作成
検討事項の数値分析や報告資料の作成を行います。数値分析などの頭を使う作業は、意図的に午前中に時間を捻出するよう意識しています。 -
昼食
社員食堂で昼食をとります。メニューが毎日変わるので、毎回とても美味しくいただいています。 -
社外関係者との会議
社外の方と担当する案件に関するWeb会議を行います。脱炭素に関わる状況は想像できないスピードで日々変わっていくので、逐次双方で情報をアップデートさせながら案件を進めていきます。 -
数値分析・報告資料の作成
午前中に終わらなかった数値分析、報告資料の作成を行います。社内外の打ち合わせが比較的多い部署のため、打ち合わせの実施日から逆算し、優先順位をつけて資料を作成していきます。資料作成にあたっては、プロジェクト内に専門性を持ったメンバーが多く在籍しているので、適宜助言をもらいながら完成させます。 -
関係者との連絡
社内外からの依頼や問い合わせに関して、メールで回答します。気づけば未開封のメールが山積みになっていることがよく発生するので、できる限りその日の内に返信することを心がけています。 -
退社
私用が有るときはフレックス制度を用いて、2、3時間前倒しで退社することもあります。