研究開発
2019年 入社/工学研究科 化学生物系専攻 修了
入社理由
学生時代は、バスケ部に所属していました。関西の大学のリーグ戦で、目標の成績を残せるようにチーム一丸となって取り組んでいました。私はチームの中で、泥臭く体を張るポジション。地味ではありますが重要な役割を担っており、「縁の下の力持ち」としてやりがいを感じながら努力を続けてきました。社会に出ても、部活動と同じように社会の支えになることがやりがいとなるのではと考えました。
学業では無機化学の研究室に所属していました。「専攻分野を生かせる仕事」を軸に就職活動に取り組み、MUCCに出会いました。橋やビル、ダムといった大規模なインフラで社会を支えているセメントという製品に魅力を感じ、入社を決意しました。
仕事内容
私が所属しているセメントグループの役割は幅広いです。研究開発だけではなく、セメント工場のサポート、営業への技術的支援、知的財産関係などさまざま。研究開発では、セメントの材料設計、新分野でのセメント利用、セメント製造で発生するCO2の利活用などを行っています。
セメント製造で、大量のCO2を排出しているのは事実です。カーボンニュートラル達成に向け、私はセメント製造で発生するCO2の分離回収とその利活用について検討しており、工場排ガスからCO2を回収する実証試験と、回収したCO2からメタンをつくるメタネーションの実証試験に取り組んでいます。
仕事のやりがいや難しさ
カーボンニュートラル達成のために、解決しなければならない課題は山積みです。それだけ難しさを感じますが、知恵や工夫を総動員して細かい課題を一つずつ解決していくことにやりがいを感じます。トラブル対策のための設備改造や、運転方法の改善などにより、想定以上に良い方向へ向かうこともあり、うまくいったときの嬉しさはひとしおです。
一方で、カーボンニュートラルを最終的にどのように実現するかを考えると、途端に難しくなります。今取り組んでいることが本当に最適なのか、疑いの目を持つことも大切だと思っています。さまざまなデータを比較・整理し、新たな知見や考察を得ながら、一歩ずつカーボンニュートラルに近づいていきたいと思っています。
印象的なエピソード
以前CO2回収設備の配管が頻繁に閉塞し、排ガスが循環できなくなっていました。そのときは一日一回のペースで洗浄作業が必要で、非常に手間な作業でした。配管は複雑で長いため、閉塞する場所を特定できていないことが問題でした。私と現場の方で設備や現場をじっくり見て回り、配管にトラブルが生じる箇所は数カ所であることを突き止めました。その箇所にトラップを設置する工事を行った結果、配管の閉塞が解消されました。
今では配管洗浄を行う必要が全くなくなり、手間を大幅に削減することができました。当たり前かもしれませんが、机上の考えだけでは限度があると改めて感じました。この経験を通じて、まずは現場を自分の目で確認することの大切さを学びました。
セメント製造時に排出されるCO2 。いつかこのCO2をうまく回収して、販売できるような時代にしたいと考えています。セメントは石灰石を原料にしているので、純粋できれいなCO2が取れるのではないかという期待もあります。その場合、飲料用にも使えるはず。たとえばですが、セメント工場からのCO2を利用して炭酸飲料をつくり、それを「セメント強ソーダ」というような商品名で販売するのもいいかもしれません。
ある1日のスケジュール
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スケジュール・メール確認
その日に取り組む仕事を確認したり、メールを確認し返信したりします。また、当日やるべきことをリストアップして優先順位を決めます。 -
グループミーティング
グループ内でのミーティングで、前日に得られたデータを共有します。今後の計画なども話し合い、どのような方向で進めていくか議論します。 -
計画の具体化考察
ミーティングで決まった計画について、具体的な進行方法を考察します。また文献なども調査して、その方法が適切かどうかを確認します。得られた結果があれば、データ整理をし、打ち合わせ用の資料を作成します。 -
昼休憩
会社の福利厚生のおかげで、1食350円程度でお弁当が購入できます。バランス良く安く食べられることに感謝です。 -
準備・実験・分析
計画した実験を実行し、トライアル&エラーを繰り返しながら進めていきます。失敗も成功への一歩であり、重要な学びの機会です。また、セメントグループでは、さまざまな分析装置を扱うため、幅広い知識が求められます。多岐にわたる分野を学ぶ機会が豊富にあり、成長を実感できる環境です。 -
社外関係者とWebミーティング
得られた結果に関する報告や工事の日程調整、分析結果の共有、特許出願の検討など、外部専門家の方々と打ち合わせを行います。新たな知見が得られる絶好の機会なので、準備がとても大切です。 -
データ整理
その日に得られたデータを整理します。この作業を滞りなく行い、次の日の試験につなげられるように努めています。 -
車で帰宅
宇部は道が広く運転しやすいです。車が多くてもスムーズに進みます。