プレスリリース

CO₂を固定したカーボンネガティブの人工砂「GX-eビーズ™」を開発  ~国内初、普通強度のコンクリートに利用可能な炭酸塩細骨材~

2025年1月28日

UBE三菱セメント株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小山誠、以下「当社」)は、CO₂を80~250kg/t(乾燥ベース)固定化できるカーボンネガティブ*細骨材「GX-eビーズ™」を開発しました。

GX-eビーズは、カルシウム(Ca)を含む廃棄物や副産物を原料として、当社が開発した促進炭酸化技術により排ガスなどに含まれるCO₂を固定化しています。また、低炭素型の結合材を用いて造粒・固化して粒度調整することで、カーボンネガティブな人工砂の開発を国内で初めて実現しました。

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図1 開発したカーボンネガティブ細骨材「GX-eビーズ™」

【GX-eビーズの特長① 環境負荷低減型コンクリートの材料】

GX-eビーズは、当社独自の促進炭酸化技術を活用し、排ガスなどに含まれるCO₂を80~250kg/t(乾燥ベース)固定化しています。また、これらの造粒・固化には低炭素型の結合材を用いることで、従来技術では達成できなかったカーボンネガティブの細骨材を実現しました。普通ポルトランドセメントや高炉セメントと共にコンクリート用材料として使用することで、環境負荷低減型コンクリートの製造が可能となります。

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図2 GX-eビーズのCO₂排出量(材料由来)

【GX-eビーズの特長② 普通強度コンクリート用細骨材として利用できる可能性】

GX-eビーズは、普通強度のコンクリート用細骨材として利用可能で、普通ポルトランドセメントや高炉セメントB種と併せて使用することで、一般的なコンクリートと同程度のフレッシュ性状、強度発現性が得られます。そのため、生コンクリートやコンクリート二次製品に幅広く適用することができます。

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図3 GX-eビーズを使用した普通コンクリートの圧縮強度

【GX-eビーズの特長③ 製造コスト】

GX-eビーズは、常温環境下で製造可能であり、特殊な反応装置が不要のため設備投資を低く抑えることができます。

 

当社は、中期経営戦略「Infinity with Will 2025 ~MUCCサスティナブルプラン 1st STEP~ 」において、地球温暖化対策を当社グループの最重要課題の一つに位置づけ、脱炭素社会の実現に向けた研究開発に取り組んでいます。

今後は、実証設備を用いた試験製造を行いながら用途開発を進め、コンクリート用資材としての材料認定等を取得することで、将来のカーボンネガティブ資材としての普及を目指すとともに、事業化に向けた取り組みを進めてまいります。

*利用段階において大気中のCO₂を吸収・固定することで、ライフサイクル全体で実質的にCO₂排出量をゼロ以下にすること

以上

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UBE三菱セメント株式会社 総務部広報室