建設用3Dプリンター向け2液型セメント系積層モルタルを開発~国内初、スラリー状態で材料の長期保管可能に~
2023年6月7日
UBE三菱セメント株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小山誠、以下「当社」)は、材料押出式建設用3Dプリンター向けに、長期間スラリー状態を保持可能な2液型セメント系積層モルタル(以下「本材料」)の開発に成功しました。長期間スラリー状態を保持できる2液型のセメント系積層モルタルの開発は国内初です。
本材料は主材と硬化開始材の2液から成り、いずれも5日間程度はスラリー状態を保持することが可能です。ノズル部分に設置したインラインミキサーで2液を混合しながら施工すると、直ちに硬化を開始し自立性を発現するので、短時間での施工(積層)が可能となります。
また、従来の積層モルタルは施工中断時に配管が閉塞しないように洗浄作業が必須でしたが、本材料は2液を混ぜなければ硬化しないので、この洗浄作業の手間が省け、作業性が大幅に向上します。
【本材料と施工の特長】
- 長時間のスラリー可使時間による作業性の向上
主材(以下「A材」)と硬化開始材(以下「B材」)は、いずれも圧送可能なスラリーとして流動性を5日間程度保つことができます。そのため、A材とB材が混ざっていないインラインミキサーまでの経路内での硬化を防ぐことが可能で、配管が閉塞せず、施工の中断や装置内の洗浄が容易です。
- 良好な強度発現
当社が推奨するインラインミキサーを組み合わせることで積層材は良好な強度発現を示します。
- 優れた圧送性
主材スラリー(以下「A液」)と硬化開始材スラリー(以下「B液」)は流動性が高く、良好な圧送性を有します。
- 積層性発現時間の短縮
A液とB液を混合すると、直ちに積層性を発現し、速やかな積層造形が可能です。
人手不足への懸念や生産性向上ニーズが高まる中、コンクリート施工の省力化・省人化に向けて、建設用3Dプリンターの普及が進みつつあります。当社はお客様のニーズにお応えできるよう、セメント系材料メーカーとして培ってきた技術を生かし、本材料の更なる改良と研究開発を進めていきます。